道路交通法の改正により、2026年9月から生活道路の最高速度規制が大幅に引き下げられます。
住宅地の狭い路地など、一定の条件を満たす生活道路では、時速30km/hを超えて走行できなくなる見込みです。
歩行者や自転車の通行が多い生活道路での事故防止が主な目的となっています。
本記事では、この新しい規制と生活道路の特徴、一般道路との違いについてわかりやすく解説します。
生活道路の最高速度が30km/hに
道路交通法施行令の改正により、2026年9月から生活道路の最高速度規制(法定速度)が時速30kmに引き下げられる予定です。
対象となるのは、中央線や分離帯のない道路幅員が5.5m未満の狭い道路です。
この新制定の対象と見られているのは、全国の一般道路約122万kmのうち、約87万km(71%)にものぼります。
生活道路は事故が多発しやすいため、今回の規制強化が行われることになりました。
規制強化の理由
- 時速30kmを超える車両と歩行者や自転車が衝突した場合、死傷リスクが急増する
- 生活道路では歩行者や自転車の通行量が多く、事故の危険性が高い
- 予算不足などにより、個別規制だけでは適切な速度規制ができていない道路が存在した
つまり、歩行者等の安全確保が最大の理由となり、抜本的な対策が取られることになったのです。
生活道路と一般道路の違い
そもそも生活道路とは、地域住民が自宅から主要な道路に出るまでに利用する狭い道路のことを指します。
一方の一般道路は、比較的広い車道が設けられた幹線道路を指しています。
主な違いは以下の通りです。
生活道路の主な特徴
- 道路幅員が狭く、自動車の対向通行がやっとできる程度
- 中央線や分離帯がなく、自動車の通行を前提としていない
- 歩行者や自転車の通行量が多い住宅街の路地や農道
- 主に30km/h以下の低速走行が求められる
一般道路の主な特徴
- 比較的広い車道が設けられている
- 中央線や分離帯で車線が区切られている
- 自動車の通行を前提とした道路設計
- 最高時速は60km/hが一般的
このように、生活道路と一般道路では、道路の構造や利用目的が全く異なります。
生活道路は地域住民の生活の場でもあり、自動車の通行よりも歩行者の安全が優先視される傾向にあります。
生活道路における新たな安全対策
生活道路の安全性向上に向けて、最高速度規制以外にも新しい取り組みが行われています。
ゾーン30の整備
一部の地域では「ゾーン30」と呼ばれる区域が設けられ、エリア内のすべての生活道路で時速30km以下の徹底した速度規制が実施されています。
ゾーンの入口と区間には規制標識が設置され、路面には「30」の表示やカラー舗装も施されます。
さらに、ハンプの設置やカーブ化、可動式ポールの設置など、物理的な速度抑制対策も講じられています。
横断歩道手前へのハンプ設置や防護柵の設置など、歩行者優先の対策も取り入れられる傾向にあります。
【まとめ】生活道路とは?最高速度制限が30km/hに! 一般道との違いは?
このように、生活道路においては歩行者等の安全確保が最優先事項となっています。
2026年9月から最高速度規制が30km/hに引き下げられるほか、一部地域では「ゾーン30」による徹底した対策も実施される見通しです。
一般道路とは道路の構造や利用目的が全く異なる生活道路。
この違いを正しく理解したうえで、生活道路を通行する際には、細心の注意を払う必要があります。
事故防止と安全性向上に向けて、今後もさまざまな規制や対策が強化されていくことが予想されます。
地域住民の生活の場でもある生活道路の、安全で適切な利用を心がけましょう。