こんにちは、今日は日本神話に登場する八つの頭と八本の尾を持つ巨大な蛇の怪物・ヤマタノオロチについてご紹介したいと思います。
ヤマタノオロチは、日本神話の中でも有名な存在で、スサノオや草薙剣と関係があります。
しかし、実はヤマタノオロチを退治したのはスサノオだけではなく、ヤマトタケルという説もあるのです。
どうして2つの説があるのか、その背景や意味についても解説していきます。
ヤマタノオロチとは何か?
まず、ヤマタノオロチとは何か、どのような神話に登場するのかを簡単に説明しましょう。
- ヤマタノオロチとは、日本神話に登場する八つの頭と八本の尾を持つ巨大な蛇の怪物です。
- ヤマタノオロチは、出雲国の斐伊川で暴れていたところ、天から降りてきたスサノオに退治されました 。
- スサノオは、ヤマタノオロチが食べようとしていた美しい娘・クシナダヒメと結婚し、出雲国に宮殿を建てました 。
- ヤマタノオロチを斬ったとき、尾の中から剣が出てきました。これが三種の神器の一つである草薙剣です 。
以上が、ヤマタノオロチについての基本的な情報(話のあらすじ)です。
では、次に詳しく見ていきましょう。
ヤマタノオロチを倒したのはスサノオという説
スサノオという説は、日本神話において最も有名で古いものです。
『古事記』や『日本書紀』には、スサノオが出雲国の斐伊川で暴れていた八つの頭と八本の尾を持つ巨大な蛇の怪物・ヤマタノオロチを退治したという話が詳しく書かれています 。
スサノオのヒーロー・ストーリー
スサノオは、天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟であり、海や嵐を司る神です 。
しかし、彼は天照大神と仲が悪く、度々彼女を怒らせました 。
そのため、彼は天から追放されて地上に降りました 。
地上に降りたスサノオは、出雲国にやってきました 。
そこで彼は、斐伊川(ひいかわ)で泣いている老夫婦とその娘・クシナダヒメ(くしなだひめ)に出会いました 。
老夫婦は、ヤマタノオロチという八つの頭と八本の尾を持つ巨大な蛇の怪物に毎年娘を食べられていると言いました 。
クシナダヒメは、老夫婦の八人目で最後の娘であり、今年は彼女が犠牲になるというのです 。
スサノオは、クシナダヒメを救って妻にする代わりに、ヤマタノオロチを退治することを約束しました 。
そして、彼は老夫婦にクシナダヒメを酒樽に隠すように言いました 。
そして、彼は八つの酒樽を用意し、それぞれに酒を入れて川岸に並べました 。
やがて、ヤマタノオロチが現れて、酒樽の酒を飲み始めました 。
酔ったヤマタノオロチは、力が弱まりました 。
そのとき、スサノオは剣を抜いてヤマタノオロチに襲いかかりました 。
しかし、ヤマタノオロチの皮膚は硬くて剣が通じませんでした 。
そこでスサノオは、尾の方から斬り始めました 。
すると、四番目の尾の中から剣が出てきました 。
この剣は後に草薙剣(くさなぎのつるぎ)と呼ばれる神器となります 。
スサノオはこの剣を使ってヤマタノオロチを斬り殺しました 。
スサノオは、クシナダヒメと結婚し、出雲国に宮殿を建てました 。
そして、草薙剣を天照大神に献上しました 。
この草薙剣は、三種の神器の一つとされる重要な神器です。
三種の神器とは、天照大神から皇室に授けられたとされる神器であり草薙剣のほかに八咫鏡(やたのかがみ)と八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)があります。
以上が、スサノオという説です。この説では、スサノオは天から地上に降りてきた神であり、出雲国や草薙剣と深い関係があります。
ヤマトタケルという説
一方、ヤマトタケルという説は、『日本書紀』において第12代景行天皇(けいこうてんのう)の皇子・日本武尊(やまとたける)が東征の途中で出会った大蛇を退治したという話に由来します。
日本武尊は、父・景行天皇から東国平定の命令を受けて出発しました。
途中で彼は、熊襲(くまそ)という国の王・クマワカタケルと戦いました。
クマワカタケルは、日本武尊に火を放って攻撃しましたが、日本武尊は草薙剣を使って火を払い除けました。
そして、クマワカタケルを討ち取りました。
日本武尊は、草薙剣を父から借りたものであると言っています。
この草薙剣は、スサノオが天照大神に献上したものであり、皇室に伝わったとされる神器です。
日本武尊は、この剣を使って東国の敵を退治しました。
日本武尊は、東征の帰路に出雲国に立ち寄りました。
そこで彼は、スサノオの子孫である大国主神(おおくにぬしのかみ)と対面しました。
大国主神は、日本武尊に出雲国の土地を譲りました。
このことから、日本武尊は出雲国の守護神としても崇められるようになりました。
日本武尊は、出雲国から出発する前に大蛇を退治したという話があります。
この大蛇は、スサノオが退治したヤマタノオロチの末裔であるという説があります。
日本武尊は、草薙剣を使って大蛇を斬りました。
以上が、ヤマトタケルという説です。
この説では、日本武尊は皇室の子孫であり、草薙剣や出雲国と深い関係があります。
2つの説の共通点と違い
以上のように、スサノオという説とヤマトタケルという説は、それぞれ異なる文献や伝承に基づいていますが、共通点も多くあります。
両者ともに草薙剣を使って大蛇を退治し、出雲国や大国主神と関わりがあることなどが挙げられます。
また、両者ともに天照大神や皇室と血縁関係があることも重要です。
一方で、2つの説には違いもあります。
スサノオという説では、大蛇はヤマタノオロチという名前で呼ばれており、八つの頭と八本の尾を持つ巨大な存在です。
また、スサノオは天から地上に降りてきた神であり、人間ではありません。
ヤマトタケルという説では、大蛇は名前が明記されておらず、一つの頭と一本の尾を持つ普通の蛇です。
また、日本武尊は人間であり、皇室の子孫です。
2つの説の背景と意味
では、どうして2つの説があるのでしょうか?その背景や意味について考えてみましょう。
スサノオという説は、日本神話の中でも最も古いものであり、出雲国の神話として伝えられてきました。
出雲国は、古代日本において最も強大な国の一つであり、独自の文化や信仰を持っていました。
出雲国の神話は、出雲国の人々のアイデンティティや価値観を表しています。
ヤマタノオロチは、出雲国の自然や歴史に関係する存在であり、スサノオは出雲国の守護神として崇められてきました。
草薙剣は、出雲国の神聖な象徴であり、天照大神や皇室との関係を示しています。
ヤマトタケルという説は、『日本書紀』において記されたものであり、皇室の歴史として伝えられてきました。
皇室は、古代日本において最も権威ある存在であり、天照大神の子孫とされていました。
皇室の歴史は、皇室の正統性や威光を表しています。
日本武尊は、皇室の英雄的な人物であり、東国平定の功績を持っています。
草薙剣は、皇室に伝わる神器であり、天照大神やスサノオとの関係を示しています。
以上のように、スサノオという説とヤマトタケルという説は、それぞれ異なる視点や目的から作られたものです。
しかし、両者ともに日本神話の中でも重要な位置を占めるものです。
ヤマタノオロチについて知ることで、日本神話の多様性や豊かさを感じることができます。
まとめ
今回は、日本神話に登場する八つの頭と八本の尾を持つ巨大な蛇の怪物・ヤマタノオロチについてご紹介しました。
ヤマタノオロチを退治したのはスサノオという説とヤマトタケルという説がありますが、どちらも共通点や違いがあります。
また、どちらもそれぞれ異なる背景や意味があります。
ヤマタノオロチについて知ることで、日本神話の多様性や豊かさを感じることができます。
いかがでしたか?
この記事があなたの知識や興味を深めるお手伝いになれば幸いです。
それではまた!
ここまで読んで頂きまして誠にありがとうございました。
嬉しい楽しい、ついてます。
感謝
泉水善光