皆さん、こんにちは!
野球中継を見ていると、

「エンドラン!」
とか
「ヒットエンドラン!」

なんて言葉を耳にすること、ありますよね?
なんとなく「ランナーが走るのかな?」と思うけど、一体どんな作戦で、何が違うのか、ちょっぴり難しく感じませんか?
この記事では、そんな野球のちょっと複雑な作戦「ヒットエンドラン」と「ランエンドヒット」について、感覚的に分かるように、やさしく、楽しく解説していきますね!
「エンドラン」ってなあに? 実は「ヒットエンドラン」のことなんです!
まず最初にズバリお答えしますね!
野球で「エンドラン」という言葉が出てきたら、それはほとんどの場合、「ヒットエンドラン」のことを短く言っているんです。
英語で「hit and run(ヒットアンドラン)」なので、直訳すると「打つと走る」という作戦ですよ。
じゃあ、この「ヒットエンドラン」って、具体的にどんな作戦なのでしょうか?
ヒットエンドランは「バッターはどんな球でも打つ!」作戦
ヒットエンドランは、塁(ベース)にランナーがいる時に使う作戦の一つです。
ピッチャーがボールを投げた瞬間に、ランナーは次の塁へ走り出します。
そして、

ここが一番大事なポイント!
バッターは、ストライク(打つべき球)でもボール(打ってはいけない球)でも関係なく、必ずバットに当てて打たなければいけません。
たとえボール球が来ても、バッターは打ちに行くんです。
例え話:
例えるなら、ランナーとバッターが「せーの!」で息を合わせる、秘密のミッションのようなものです。
ランナーが「行くぞ!」と走り出したら、バッターはどんな球が来ても「よし、俺が援護するぞ!」と必ずバットを振って、ボールをフェアゾーン(打っていい場所)に転がしてあげないといけない、という約束なんです。
この作戦の目的は、ランナーを次の塁へ進めること、そして、もしヒットが出れば、バッターも塁に出て、さらにチャンスを広げることなんです。
ヒットエンドランの「いいところ」と「気を付けるところ」
どんな作戦にも、良い面と気を付ける面がありますよね。
いいところ(メリット)
もし内野ゴロ(地面を転がる打球)になっても、ランナーがすでに走っているので、ダブルプレー(2人同時にアウト)になるのを防ぎやすいんです。

ランナーはもう次の塁の近くにいるので、
送球が間に合わないことが多いんですよ。
ヒットが出れば、ランナーはすでに走り出しているので、普段よりも一つ先の塁まで進める可能性が高まります。
例え話:
1塁にランナーがいてヒットエンドランを成功させたら、3塁まで一気に進める!なんてこともあるんですよ。
バントと違ってバットを振るので、2ストライクからファウルになってもアウトになりません。
ランナーが走ると、守っている内野の選手が塁(ベース)を守りに動くので、ヒットが打ちやすい広いスペース(ヒットゾーン)が生まれることがあるんです。
気を付けるところ(デメリット)
バッターが打ったボールが、もしフワッと浮くフライや、ピッチャーの真正面を飛ぶライナーになってしまったら、走り出していたランナーが元の塁に戻るのが難しく、ダブルプレーになってしまう危険性があります。
バッターがボールを空振りしてしまったり、ピッチャーが作戦を見破ってわざとストライクゾーンを外す球(ピッチアウト)を投げたりすると、ランナーは一人で盗塁したのと同じ状態になってしまいます。
足が速くないランナーだと、アウトになってしまう可能性が高くなります。
特に2ストライクで空振りすると、バッターは三振、ランナーはアウトで、「三振ゲッツー」という最悪の形になってしまうこともあります。
ランエンドヒットは「バッターは打つか見逃すか選べる!」作戦
さて、もう一つの似ている作戦「ランエンドヒット」についてです。
こちらもピッチャーがボールを投げた瞬間に、ランナーは次の塁へ走り出します。
ここまではヒットエンドランと同じですね。
でも、ここが決定的に違うところ!
ランエンドヒットの場合、バッターは必ずしも打つ必要はありません。

ボールの球筋やコースをよく見て、
打つか、それとも見逃すか
を選ぶことができるんです。
例え話:
例えるなら、ランナーが「さあ、盗塁だ!」と走り出すのは一緒だけど、
バッターは「どんな球が来るかな?もし打ちやすい球なら打って助けてあげよう。
でも、変な球なら無理に打たずに見送って、ランナーに盗塁を任せよう」
というように、状況を見て判断する、そんな自由なミッションなんです。

ランエンドヒットの目的は、主に得点できる位置(得点圏)にランナーを進めることです。
もしバッターが打てなくても、ランナーは盗塁を試みているので、作戦が無駄になりにくいという特徴があります。
また、無理に打つ必要がないので、ダブルプレーを防ぎやすいというメリットもあります。
フルカウント(3ボール2ストライク)の時は、ランナーは自動的に走り出すルールがあるため、実質ランエンドヒットと同じような形になります。
ヒットエンドランとランエンドヒット、一番の違いはここ!
ここまで読んでくれた皆さん、もうお分かりですね!
ヒットエンドランとランエンドヒットの一番大きな違いは、

「バッターが打つ必要があるか、ないか」
なんです!
ヒットエンドラン: ランナーが走ったら、バッターはどんなボールでも必ず打ちに行きます。
ランエンドヒット: ランナーが走っても、バッターはボールを見極めて、打つか見送るかを選べます。
この違いを覚えていると、野球中継をさらに深く楽しめるようになりますよ!
その他の「エンドラン」仲間たち
「エンドラン」には、他にも色々な仲間がいます。
バントエンドラン: バッターがヒットを狙う代わりに、バントをしてランナーを進める作戦です。
バントのほうが確実にボールに当てられるので、ランナーを進塁させやすいメリットがあります。
ただし、バントがフワッと浮くと、ダブルプレーの危険性は高まります。
バスターエンドラン: バッターが最初はバントの構えをして、ピッチャーがボールを投げてから急にバットを引いてヒッティング(強打)に切り替える作戦です。

これを「バスター」と言います!
相手がバントの守りをしてきた時に、逆をついてヒットを狙う、とっても頭を使う作戦なんですよ。
まとめ
いかがでしたか?
野球の
「ヒットエンドラン」
「ランエンドヒット」
そしてその他の「エンドラン」仲間たち
の違い、少しはスッキリしましたか?
一見するとそっくりな作戦ですが、バッターの役割に大きな違いがあることが分かりましたね。
これらの作戦がどんな時に使われるのか、どんなリスクがあるのかを知っていると、野球観戦がもっともっと面白くなりますよ!
それではこの辺で。
ここまで読んで頂きまして誠にありがとうございました。
嬉しい楽しい、ついてます。
感謝
泉水善光