これほど心を惹きつけられる選手が現れたことに自分でも驚いています。
その選手は、田中こころ選手。
Wリーグの強豪・ENEOSサンフラワーズに所属する、弱冠19歳のアスリートなんです。
コートの上で見せる彼女のプレーには、単なるスキルや才能という言葉では片付けられない、見る者を惹きつける特別な何かがあります。
この田中こころ選手について小学校、中学、高校、更にWリーグへの経歴について調べてみました。
【小学生時代】田中こころ、”時間が止まる”集中力で頭角を現す
彼女のキャリアを遡ると、その非凡さの片鱗は幼少期から現れています。
大阪府堺市立浜寺東小学校1年でミニバスを始め、小学5年生の大阪府大会準決勝では、残り3秒で逆転シュートを決めたといいます。
本人が当時から「時間が止まるように見える」と語っていたという集中力は、天性のものなのでしょう。
【中学生時代】名門クラブで田中こころが身につけた多彩なスキル
中学時代は、堺市立浜寺中学校の部活動の傍ら、クラブチーム「KAGO CLUB OSAKA」に所属。
週6日の練習や映像分析など、私が高校生だった頃とは練習の「質」が根本的に違う環境で、スキルを磨き上げました。
ここで身につけた多彩なフィニッシュのバリエーションは、彼女の大きな武器となっています。
中学3年時には全国ジュニアクラブ選手権で平均21得点を記録し、U14代表候補に選出されるなど、早くから世代のトップを走っていました。
田中こころ選手を成長させたバスケ名門高校・桜花学園での3年間
田中こころ選手は全国からどんどんと強豪選手が集まるというバスケットボールの名門、桜花学園高校に進学しているんです。
それまでの活躍からすれば当然の進路だったのかもしれませんよね。
そして高校での選手活動というのは更に田中こころ選手の実力を高めたと言えるのではないでしょうか。
それでは学年ごとに見てみましょう。
【桜花学園1年生】田中こころ、1年生で掴んだ全国制覇と最年少得点王
桜花学園では1年生から主力として活躍し、2021年にはインターハイとウインターカップで優勝を経験しています。
特にインターハイ決勝での16得点は、最年少得点王という輝かしい記録を残しました。
【高校2年生】田中こころを襲ったスランプと、乗り越えた精神力
しかし、どんな才能も、順風満帆なだけでは大成しません。
2年生の冬、ウインターカップ3回戦敗退を機に、彼女はスランプを経験します。
自信を失い、プレーに迷いが生まれた。
当時を振り返り、「最初は遠慮があった」と彼女は語っています。
この壁を、先輩・横山智那美からの助言を胸に乗り越えた経験が、彼女を精神的に大きく成長させました。
吹き出し
🗣️「この経験が大きい。若いうちの挫折は、選手を何倍にも成長させる。仲間の存在のありがたみも、この時に知るんですよね。」
桜花学園のキャプテン横山智那美選手からはどんな助言をもらったのか。
高校2年生の時、新人戦で自信を失い、Bチームに降格して最も苦しい時期を経験していました。
この時、田中こころ選手はキャプテン(横山智那美)に相談して多くの話を聞いてもらっていますよね。
その結果、立ち直ることができたと語っているのです。
キャプテン横山智那美選手からの助言は以下の様なものであったらしいです。
- 横山選手自身も同じような時期があったと田中選手に伝えたそうです。
- プレーにおいて最も重要なのはメンタルであること。
- 試合でボールが回ってきた時には、絶対に自分で点を決めるという強い気持ちでプレーすれば大丈夫だと励ました。
- 田中選手は、横山選手と一緒にプレーするために自主練習や試合での努力が必要であることも学んでいました。
この助言により、田中選手は吹っ切れて自信を取り戻したのですよね。
また、コーチからも「打ち続けろ」と常に言われていたことも、彼女の成長を後押ししたのでした。
この経験を通じて、田中選手はどんどんとプレースタイルも変化させることとなります。
そしてスピードを活かしたシンプルなレイアップも意識するようになっていきました。
この時に田中こころ選手が手に入れた「度胸」や「恐れ」を持たないメンタルというのが、後の日本代表での活躍の時にヘッドコーチのコーリー・ゲインズ氏に高く評価されることに繋がるのですよね。
【高校3年生】キャプテン田中こころが見せたエースの覚悟
3年生では、創部68年で初のダブルキャプテンの一人としてチームを牽引することとなります。
2023年のインターハイとトップリーグでは準優勝に終わりました。
しかし、チーム最多の得点とアシストを記録しています。
恩師の井上眞一監督は「勝負どころで“選び取る1本”が打てる嗅覚が抜群」と評していますよね。
キャプテンとして、チーム内のエースとして、責任感と勝負強さを身につけていったのですね。
桜花学園での30万本のシュート練習とデータ分析|田中こころの努力の裏側
そして圧巻なのが、名門・桜花学園高校時代の練習量なのです。
3年間、毎朝5時から300本のジャンプシュートを継続しているんですよね。
その在学中のシュート総数は約30万本に上るといいます。
いつの時代も、本物のアスリートは地道な反復練習から生まれている。
その事実というものを、田中こころ選手は改めて見せつけてくれますね。
さらに驚くのは、田中こころ選手は数学オリンピックの校内代表にも選ばれているんです。(目が点。。。)
シュートの弾道を計算したり、高校卒業までに履き比べた20足以上のバッシュの摩耗率をグラフ化したりしていたという知性です。
私が若い頃のエリート運動選手はどちらかといえば頭よりも体力って感じが多かったような気が。。。
勘違いだったらゴメンナサイ。。。
吹き出し
🗣️「面白い。昔の根性論とは違う、実に合理的なアプローチだ。バッシュの摩耗率をグラフ化していたなんて、こういうクレバーさも彼女の強さの一つなんだろう。」
田中こころ選手のバスケはプロの世界という新たなステージへ|Wリーグと日本代表
2024年にWリーグのENEOSサンフラワーズに加入する事になります。
その時はルーキーながら開幕戦で11得点を記録。。。
プロの速度とフィジカルの中でも、「ルーキーらしく」と前向きにプレーしたことにより、特にディフェンス面で大きな成長を見せていますね。
【バスケ日本代表】19歳で司令塔に|田中こころ選手が見せた”恐れなき心”
そして2025年、彼女の才能は日本代表という舞台で完全に開花します。
コーリー・ゲインズHCは、本来SGの彼女を、そのリーダーシップとメンタルの強さからPG(ポイントガード)に抜擢したのでした。
この起用が見事に当たりましたよね。
デビュー戦となった三井不動産カップのチャイニーズタイペイ戦では、開始13秒で3Pシュートを決めていきなりのMVPを獲得という快挙を成し遂げています。
続くFIBA女子アジアカップ2025では、日本のバスケ史に残るであろうパフォーマンスを披露することとなります。
準決勝の中国戦、第1クォーターだけで5本の3Pシュートを含む21得点を記録という。。。
この活躍には、私も度肝を抜かれましたわなぁ。
吹き出し
🗣️「これが『ゾーン』か…。プレッシャーを力に変えるとは、まさにこのこと。19歳という年齢を忘れさせる、圧巻のパフォーマンスだ。」
ゲインズHCは田中こころ選手をこう評しています。
「ココ(田中)には“恐れ”がない。私が怒鳴っても、表情を変えずに話を聞き、自分の中で整理しようとする。そういう選手はなかなかいない」。
決勝ではオーストラリアに敗れましたが、大会オールスターファイブに選出されるという相応しい活躍でした。
【まとめ】田中こころ選手のバスケ経歴とは?小学校、中学、高校での活躍を調査!
コートを離れれば、母親の作る春巻きが好物で、Official髭男dismを聴いて歌うのが好きな、明るい一面もある田中こころ選手。
その人間的な魅力も、プレーだけじゃなく彼女が多くの人から愛される理由なのでしょうね。
ゲインズHCが「アジアで1番のガードになれる」と太鼓判を押すほどの才能。
2028年のロサンゼルス五輪では、彼女が日本の中心選手として世界と戦っている姿が今からもう目に浮かびますなぁ。
昔、自分がベンチから見ていた風景と、今、彼女がコートの上で見せている風景。
時代も立場も違いますが、一つのボールに夢を乗せる気持ちというのは、きっと同じはずです。
彼女のひたむきなプレーを見ていると、忘れかけていた情熱が静かに蘇ってくる気がいたします。
だから私は、これからも田中こころという選手を、応援し続けたいと思っているのです。
頑張る若者は見ていて心が洗われる!
それではこの辺で。
ここまで読んで頂きまして誠にありがとうございました。
嬉しい楽しい、ついてます。
感謝
泉水善光