長年アニメを観、アニソンを聴いてきましたが、最近の歌はどれも上手で、それはそれで結構なことだと思っておりました。
しかし先日、久々にテレビの前で「これは…!」と唸ってしまうような、本物の才能に出会いました。
その方の名は、MindaRyn(マイダリン)さん。
フジテレビの『千鳥の鬼レンチャン』という番組を何気なく観ていたところ、彼女が登場したのです。
青髪にメガネという姿から、てっきり日本の若いシンガーかと思いきや、なんとタイ・バンコクのご出身。
流暢な日本語で、我々世代にも馴染み深いアニソンを見事に歌い上げる。
その圧巻の歌唱力と、画面越しにも伝わる実直な人柄にすっかり魅入られてしまいました。
これは一度、きちんと調べてみなければなるまい。
そう思い、今回の記事をまとめてみた次第です。
同じように彼女の歌声に心を掴まれた方、そして「最近のアニソンは…」と思っている同輩にもぜひ読んでいただきたい。
MindaRyn(マイダリン)がかわいいと思うのは何故なのか?
まずは、MindaRynさんがどのようなお方なのか。
そのプロフィールから、彼女の魅力がどこから来るのかを探ってまいりましょう。
マイダリンの芸名の由来がまた「かわいい」
「マイダリン」という響きには、どこか力強さを感じますが、その由来は実に可愛らしい。
ご自身のニックネーム「マイ」と、幼い頃に好きだった「マンダリンオレンジのゼリー」を合わせたものだそうです。
本名はナッチャ・ポンスパーニーさん。
1996年2月17日生まれで、2025年現在で29歳。
まだまだこれからの活躍が楽しみな若者です。
(一部1995年生まれという情報もあるようですが、1996年というのが多いようです)
出身はタイのバンコクとされています。

わしらの若い頃には、海外の方がここまで日本語のアニソンを歌いこなすなんて、想像もつかなかったなあ。時代は変わったもんだ。
マイダリンの日本語は独学らしい。しかもトリリンガル!
驚くべきことに、彼女はタイ語、英語、日本語を操るトリリンガル。
しかも、日本語は独学から学び始めたというから大したものです。
彼女自身、「ず」と「づ」の発音や助詞の「が」と「を」、敬語の難しさを感じると語っていますが、その真摯な学習姿勢が、あの綺麗な発音に繋がっているのでしょう。
日本のアニメへの深い愛情が、彼女をここまでにしたのですね。
マイダリンはかわいいだけじゃない!専門はプログラミングという「リケジョ」
これもまた興味深い話です。
彼女はタイの名門、カセサート大学でソフトウェアと知識工学を専攻した、いわゆる「リケジョ」。
そして何より感心したのは、プログラミング言語Rubyを選んだ理由が「日本で開発された言語だから」という点です。
そこまで日本のことを好いてくださっているなんて。。。(涙)

日本が好きで、日本の技術にまで敬意を払うとは…。この娘さん、筋金入りだ。こういう話を聞くと、なんだか嬉しくなって応援したくなるじゃないか。
かわいいマイダリンさんの趣味は「あみぐるみ」。
アニメ鑑賞やゲーム、料理といった趣味に加え、最近は「あみぐるみ」作りに熱中しているとのこと。
公園で作っていてマネージャーに「変な人みたい」と言われたというエピソードには、思わず頬が緩みます。
ギターの弾き語りもこなし、味噌汁や鯖の生姜焼き(?)など日本の家庭料理も作るというのですから、本当に多才な方ですよね。
MindaRyn(マイダリン)の意外な所属とは
音楽レーベルは、アニソンファンにはお馴染みのLantis(バンダイナムコミュージックライブ)。
これは納得です。
しかし、所属事務所はYoshimoto Entertainment Thailand(吉本興業タイ)だというから面白い。
この意外な組み合わせも、彼女の魅力の一つかもしれませんなぁ。
MindaRynファンを魅了する、青髪メガネのかわいいビジュアル
彼女のトレードマークである青髪とメガネ。
これがまた、我々がアニメで見てきた登場人物のようで、親しみが湧きます。
ネットの若い子たちの間でも
「めちゃくちゃかわいい」
「一瞬でファンになった」
と評判のようですが、その気持ちもよく分かります。
歌声の実力と、この魅力的なビジュアル。
人気が出ないわけがありませんよね。
かわいいMindaRynがYouTubeから世界へ
彼女がアニソンシンガーとしてデビューするまでの道のりは、まさに現代の物語。
その努力と情熱の軌跡を追ってみましょう。
マイダリンのアニソンの原点は父君の影響と『デジモンアドベンチャー』
彼女の日本文化への愛は、幼少期に、日本のロックバンドX JAPANの大ファンだったお父様の影響で育まれたそうです。
そしてアニメとの決定的な出会いは、お兄様に勧められた『デジモンアドベンチャー』。
主題歌「Butter-Fly」を歌い始めたことが、アニソンへの道を開いたとのこと。
『HUNTER×HUNTER』や『鋼の錬金術師』、『ヒカルの碁』といった作品を挙げるあたり、良い作品をしっかりと観てこられたことが分かりますね。
YouTuberマイダリンのサイト登録者数は、なんと115万人。
大学時代の2015年頃、YouTubeでアニソンのカバー動画の投稿を開始。
これが、彼女の才能が世界に見出されるキッカケとなりました。
現在のチャンネル登録者数は115万人以上、総再生回数は1.2億回を超えるというから驚きです。
「友達がいなかったから始めた」というYouTubeで、「世界中に友達ができた」と語る彼女。
その純粋なアニソン愛が、国境を越えたのですね~
マイダリンの夢が叶った日。2020年、Lantisからのメジャーデビュー
その成功が認められ、2020年8月8日にLantisからのメジャーデビューが決定。
同年11月18日、TVアニメ『神達に拾われた男』のエンディングテーマ「BLUE ROSE knows」で、ついに夢を実現させました。
「嬉しくて泣いた」という彼女の言葉に、こちらも、、、胸が熱くなります。
マイダリンの日本での生活と新たな発見とは
2022年5月からは日本に拠点を移し、活動を本格化。
日本の厳格なゴミ分別に感心したり、温泉文化に戸惑ったりと、様々なカルチャーショックを経験したそうです。
電車の正確さや日本人の勤勉さに触れ、タイの「ハピネスとライフバランス」という考え方との違いを感じているという話も、非常に興味深いものでした。
聖地アニサマへ。そして初のワールドツアー
2024年8月30日には、アニソン界の祭典「Animelo Summer Live (アニサマ)」へ初出演。
満員のペンライトを「銀河みたい」と表現したその純粋さには、多くのファンが心を打たれたことでしょう。
そして、2025年6月からは初のワールドツアー『Hello New Friends』が決定。
ブラジル、スウェーデン、アメリカなど世界各国を巡るとのこと。
日本の文化であるアニソンが、タイの歌姫マイダリンを通じて世界へ羽ばたいていく。
実に感慨深いものです。。。
(スゴイぞ!アニソン!)
『鬼レンチャン』出演で、日本中がマイダリンの才能に気づいた
そして、記憶に新しい2025年8月17日の『千鳥の鬼レンチャン』への出演。
ネット上では
「この子絶対売れる」
「歌うますぎ」
と絶賛の嵐だったようです。
番組をきっかけに、日本での知名度が一気に高まったことは間違いありませんよね。
私も実は知らなかったんですけどね。
でも、歌聞いたらも~やば!!!
MindaRyn(マイダリン)の代表曲。これだけは聴いて。。。
色々とお話ししてきましたが、やはり歌手は歌を聴いてこそ。
彼女の魂が込められた楽曲の中から、いくつか代表的なものをご紹介します。
世界的ヒットのきっかけ『転スラ』主題歌「Like Flames」
彼女の名を世界に轟かせた一曲が、TVアニメ『転生したらスライムだった件 第2期』の主題歌「Like Flames」です。
総ストリーミング再生数4000万回以上という大ヒットを記録。
力強いロックサウンドと、作品の世界観を見事に表現した歌声は、一度聴けば忘れられません。
彼女自身が『転スラ』の大ファンだというのですから、歌に説得力が生まれるのも当然でしょう。
デビューから最新曲まで、名作を彩るタイアップ一覧
デビュー以来、数々の人気アニメ・特撮作品の主題歌を担当されています。
- 1st Single「BLUE ROSE knows」 – TVアニメ『神達に拾われた男』ED
- 2nd Single「Like Flames」 – TVアニメ『転生したらスライムだった件 第2期』OP
- 3rd Single「Shine」 – TVアニメ『サクガン』ED
- 4th Single「Daylight」 – TVアニメ『ありふれた職業で世界最強 2nd season』OP
- 5th Single「Way to go」 – TVアニメ『神達に拾われた男2』OP
- 6th Single「SURVIVE」 – TVアニメ『彼女が公爵邸に行った理由』OP
- 「BLACK STAR」 – 特撮ドラマ『ウルトラマンブレーザー』前期ED
- 「Shiny Girl」 – TVアニメ『SHY』OP「HIBANA」 – TVアニメ『戦国妖狐 世直し姉弟編』OP
- digital Single「Miracle soup」 – TVアニメ『転生したらスライムだった件 第3期』ED
- digital Single「Trinity」 – アプリ『転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚』主題歌
- 「BRIGHT EYES/Missing Link」 – 特撮ドラマ『ウルトラマンオメガ』OP/前期ED
こうして見ると、本当に錚々たる作品ばかり。
彼女への期待の大きさが窺えます。
マイダリンの歩みが詰まった、珠玉のアルバム
これまでに2枚のオリジナルアルバムを発表されています。
1st Album「My Journey」 (2022年)は、まさに彼女の旅の始まりを。
2nd Album「Across Miles」 (2024年)は、世界を渡り歩く中での成長を感じさせます。
『機動戦士ガンダム アーセナルベース』のテーマソングなども収録されており、聴き応えがあります。

アルバムのタイトルが「私の旅」に「マイルを越えて」か…。うまいこと言うなあ。彼女の人生そのものが、一つの物語になっているのだな。
歌に魂を込める。マイダリンの音楽への真摯な想い
MindaRynさんが何よりも大切にしているのが、歌詞に感情を込めることだと言います。
「アニソンは日本語で歌うからこそ本物」という信念を持ち、歌詞の意味を深く理解し、自身の経験と想像力を尽くして歌う。
アニメの物語と歌詞が繋がる瞬間に、アニソンの魅力を感じているという彼女の言葉には、深く共感するばかりです。
また、海外のファンにも名曲を届けたいと英語でのカバーも行うなど、その活動はまさにアニソン文化の「架け橋」と言えるでしょう。
歌が上手い若者は、今の時代たくさんいます。
しかし、MindaRynさんのように、作品への深い敬意と、文化そのものへの愛情、そして弛まぬ努力を続けられる方は、そう多くはありません。
久々に、心から「応援したい」と思える素晴らしい才能に出会えたことを、一人のアニメファンとして、とても嬉しく思っています。