この物語はフィクションです。例え科学的な内容が出てきたとしても全ては空想であり想像したものです。
ご了承ください。
【第4話】ルトーヤの民、繋がる。
ルトーヤの民は既に地球にきて何万年もの間生活をしていた。
その間に身体の変化はどんどんと進み、陸に住むもの空に生活するもの、海の中に暮らすもの等、様々に体を変化させて生きていた。
体の大きさも色々で微生物の様な小さなものから恐竜のような体の大きいものまでいた。
恐竜のような大きな体の生命体はルトーヤの民達が何万も集まって形作っている。
全てのルトーヤの民が一つの生命体を協力して同じ意思で動かしているのだ。
体の小さい生命体であれば隣どおしの意思がすぐに伝わる。
けれども、体の大きい生命体になると頭のテッペンから尾の先までには距離があり、隣通しの意思を伝えているだけでは時間がかかり生命体としての動きが鈍くなってしまうのだった。
体の大きな生命体は動きが鈍い為に草や木の実のような動かないものを主に食べてエネルギーを補給していた。
ある時、また奇跡の時が来た。
体の大きな生命体の身体の中で、ルトーヤの民が変化を起こした。
尾っぽの一番先にいたルトーヤの民が隣のルトーヤの民とくっついたのである。
二つのルトーヤの民は繋がり、一つになった。
一つが二つになるのがこれまでの分裂であったが今度は違う。
二つのルトーヤの民が一つになったのだ。
そしてまた一つになったルトーヤの民はその隣のルトーヤの民と引っ付いた。
そして、同じ事を繰り返しているうちに尾っぽの先にいたはずのルトーヤの民は、
とうとう頭のてっぺんまで到着してしまった。
しかも、一人だけで頭の先から尾の先まで届いている。長い長い身体になっていた。
頭の中で周りを見渡すと同じ様に足からやって来たものや手の先からやって来たもの、
へそのゴマの辺りからやって来たものなど身体のあちらこちらからやってきたものが見えた。
身体中からやってきた長ーいルトーヤの民たちはここでも引っ付いた。
そして、頭の中にはコブのように膨らんだルトーヤの民が出来上がった。
コブのように膨らんだルトーヤの民は脳になった。
脳は頭から手の先、足の先、尾っぽの先まで、それこそ身体中のいろんな部分と繋がっている。
この事により体の大きな生命体は身体のどこからくる刺激にも瞬間的に反応が出来るようになったのである。
生命体の動きもすこぶる速くなった。 小さな獲物を追いかけて捕まえて食べる事も出来るようになったのである。
生命体の中にいるルトーヤの民のいくつかは隣同士と合体し一つの体となった。
地球上のさまざまな環境で同じ様にルトーヤの民は脳を作り出し、身体中に神経を巡らせることになったのである。
これこそが地球上に生活する生命体が持っている脳の始まりとなった。