※この物語はフィクションです。科学的な要素が出てくる場合もありますが、全てが想像であり創作です。ご了承ください。
登場キャラクター:ララ→ルトーヤの民が奇跡的な分裂と結合を起こし出来た1つの生命体。魚類。
【第2話】ルトーヤの民、食事を覚える。
ルトーヤの民は光のエネルギーを体に取り込んで生きていた。
地球上では光は時間と共に移動する。
だから、ルトーヤの民の集合体(※1)であるララは光を求めてずーっと移動していた。
移動している間にも体はどんどんと変化していた。
ララの体には尾びれがあり、胸にもヒレが出来た。体の前には口と目が出来ていた。
ある時、海底火山が噴火をした。
それまで一緒に泳いでいた仲間は火山の火で焼けてしまった。
ララは自分が焼けてしまわないようにその道を通らないことにした。
その道は危ないと体に記憶した。
その道を避けて光を追っていると光はどんどんと遠ざかっていった。
そして、とうとう真っ暗になってしまった。
光のエネルギーをとれなくなったララは焦った。
けれども、どうしようもない。
仕方なく海底におりた。
するとどうだろう。海底には光が無数にあった。
光っているのは苔であった。
ララは嬉しくなってその中に飛び込んだ。
体中に苔を摺り込み、口いっぱいに苔をいれた。
嬉しくって嬉しくって口からどんどん苔を体に取り入れた。
お腹がいっぱいになったララはそして眠ってしまった。
目が覚めると周りはまた光が戻ってきていた。
ララは記憶した。
口から苔を食べると自分のエネルギーに換わることを。
ルトーヤの民は物を食べると体のエネルギーになることを記憶した。
それから、ララは泳ぎ続けることをやめた。
光が遠ざかったら口から物を食べてエネルギーを取ればいいことを記憶したからである。
ルトーヤの民は食事をとることが命を繋ぐことであることを記憶したのである。
この先、この食事の記憶は代々伝わることになった。
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(※1) 第一話でルトーヤの民が身体の中に記憶したものが多く成りすぎて体が張り裂けそうになった時、
奇跡的な体の変化を起こした。次々と分裂した体は切り離れずにくっつきあって1つの個体となった。
ララの体も複数のルトーヤの民で出来ている。